手をつないで、踊り明かそう

ポルカダイアリー

おにぎりの再発明

母とは、子の腹を満たすために奔走する生き物である。という感覚で日々いっぱいだ。

 

 

離乳食初期は新食材を2,3日おきに試して、食べる種類を増やすことを命題にしていた。

離乳食中期には食べられる量が増え、離乳食後期になるとつかみ食べが盛んになり、食べさせるものの形状がかなり変わった。

そして今、離乳食完了期を迎え、大人顔負けの3回食に加えて補完食としての間食もめいっぱい食べている。それでも空腹で夜中泣きわめくのだ。

 

かつてお風呂上がりの恒例だったミルクは、寝る少し前の時間まで引き延ばすことに成功した。しかし歯の影響は気になるし、卒ミルク卒哺乳瓶を意識してストローマグの麦茶だけでなんとかしたくてもなんともならない。

徐々にフォローアップミルクの量を減らしていたが、空腹で夜泣きが激しくなってしまった。そして夜中にフォロミを飲むと泣き叫ぶのが止まることをある日発見する。

対策が見つかりありがたいが、また要求に負けて与えてしまったという自己嫌悪と検索地獄で寝られなくなることもしばしば。

やっぱり寝る前のミルクを復活させて…でも歯磨きがうまくいかない…哺乳瓶も卒業しなきゃ…でもコップ飲みは上達しない…。いつも同じ悩みをぐるぐるしている。

 

そんなわけで、離乳食もステップアップを意識している。

食べる量だけでなく、腹持ちを考えた内容に。夕食を食べる時間もできるだけ遅く。そろそろ油ものも取り入れていいのかもしれない。

初期には10倍がゆだった白米は、次第に7倍5倍軟飯とすすみ、今では大人と同じ普通に炊飯したご飯になった。つかみ食べしやすいよう、おにぎりボールにしたところ息子に大ヒットし、何をおいても平らげる一番の好物となっている。

野菜類もみじん切りではなくしっかり噛める形にしているし、食事全体の水分量がかなり減ったように思う。常に試行錯誤しながらだが、離乳食を終えて幼児食に移行する段階としてはだんだんとさまになってきた。

 

 

しかし。まだ空腹で泣く。

フォロミを飲まずにねんねできたね、とほっとしていると夜泣き。なだめて寝かしてもまたすぐに起きて泣く。しかも大粒の涙を流して。

涙には、よわい。

泣く子には勝てないのである。

甘やかしている…と落ち込みながらも、少しだけ薄めのフォロミでお腹をあっためて、ねんねさせてしまう。あー負のループだ。

 

夕飯を充分に食べてもらっている、という確信があった。だってげっぷまでしてるし。

しかし、今日、いつも9個のおにぎりボールをなんと12個食べたのだ。えっまだ食べられたの?

最初に3個、おかずの進み具合とおにぎりリクエスト(もっとくれという圧)に応じて追加で6個、普段ならこれでお皿の上のものを食べ切ったらおしまい。その頃になったら「もういい!」という態度になるので。

しかし、「ひょっとして…」と感じて、おかずが終わりかけた頃にそっとおにぎりを差し入れてみた。食べる。えーっ!

あともう1個。食べる。うそーっ!

まさかね…最後に1個。食べた。なんと!

仕上げのヨーグルトまで食べた。今日はよく運動してお腹がすいているとはいえ、あなたまだ食べられたの!!

つくづく、人の腹の中など読めないものだと思った。

 

これまでおかずも食べ切って「もういらない」だったけど、もしや「おにぎりならまだ食べられるわ」だったの、かしら…。

今日のたまたまかもしれないけど、やっぱりまだお腹を満たせてなかったんだという気付き。

 

そうか、ご飯はいくらでも食べるのね。食べられるなら、食べようね。

おかずとのバランスは悪くなるかもしれないけど、いざとなったらご飯に混ぜ込んだり、中に具を入れたり、工夫してなんとかするからね。

お母ちゃん、あなたがお腹いっぱいで幸せでいられるよう、なんでもしてあげたい気持ちなの。

そして気付いた。具を入れて丸めて、それって普通におにぎりじゃん。今わたし、おにぎりの再発明したよ。

そうか、こういう母心から生まれたのがおにぎりなんだな。

 

 

お散歩ができたこともあり、今日はフォロミを飲まずにお風呂上がりすっと寝た。

今夜の夜泣きはどうかな?起きても抱っこまででなんとかなるといいんだけど。

あなたが朝まですやすや眠る日は、いつか訪れるのかな。今はまだ信じられない気持ちだけど、本当にそんな日は来るのかな。

 

子育てはよくいえば毎日臨機応変、言い換えると常に波乱万丈。

さぁ、怯える夜勤のスタートだ。