手をつないで、踊り明かそう

ポルカダイアリー

おたすけグッズにたすけられ

公園でベンチに座っておにぎりを食べてきた。コンビニで買ったツナマヨとはらこめし。

木漏れ日と芝生が綺麗な公園である。平日昼間はほとんど人がいない。夕方、あるいは休日の午前にちょろちょろと居るくらいか。

 

 

子どもはまもなく生後9ヶ月になる。大きな病気にもかからず、すくすくと育ち、実にかわいい。

外界からの刺激を受けてほしくて、かつ、ぐずった時はベビーカーでの散歩が日課なのは相変わらずだ。最近は、日光はそれなりに暑いが風が涼しくて過ごしやすい。

 

ところが、その散歩がうまくいかないことが増えてきた。静かで、穏やかで、数少ない「安パイ」の時間だったはずなのに。

何かのきっかけで機嫌を損ねると、ベビーカーを拒否するのだ。泣いて泣いて、ベビーカーで歩いても泣き止まない。

見るに見かねて抱っこすると落ち着くが、座らせると瞬時に泣く。根負けして、片腕に抱っこ(10kg超え!)、もう片手でベビーカーを押して家まで帰ったこともある。

 

後追いの一種だろうか。ママが見えなくて泣いているのだろうか。ママ、めっちゃ居るのに。

声をかけて説得してもだめ。とにかく抱っこ、抱っこ、なのだ。

 

 

先日、友人とテレビ電話で話す機会があり、先輩ママである彼女にそんな状態を話してみた。ベビーカーで泣くようになって困ってるんだよね、と。

「そっか~、対面でもだめ?」と、軽く彼女は言った。

「あ!」と、驚いた。それは試してない!し、効く気がする!

 

ベビーカーの対面機能。当初はむしろそっちだった。

お座りができるようになってきてからは前向きに座らせて、景色を見せていたのだ。

子育てに「前に戻る」ってあるのかな、とは思ったが、やってみる価値はある。と、もらったヒントを刻み込んだ。

 

 

そんな経緯があっての今日。

昼過ぎまでの時間を家の中でやり過ごすのも自信がなくて、お天気も良いことだし、昼前に散歩に行くことにした。

友人からは他にも色々行動のヒントをもらって、昨日は子どもが寝ている隙にマクドをパークアンドゴーで買い、車の中で食べた。

外でご飯食べるって、楽しいなと思ったのだった。外食とまではいかないけど、誰かの作ってくれたご飯を食べるって、小さな幸せだな、と。

今日もそんな風になんか普段と違うことしたいな、と考えた。あ、ツナマヨ食べたい、と閃いた。

 

お昼どきで混む前に、最寄りのコンビニに行った。

2ヶ月前くらいから、コンビニなどの閉鎖空間に入ると泣くようになってしまっている。今日も、入店した時に泣かなかったので、いけるか…?と期待したがやっぱりだめだった。急いでおにぎりをひっつかみ、なんかこれ高いやつだ!と気付くも選ぶ余裕なく、逃げるように退店。

店を出てしばらく歩いても泣き止まないので、日陰で抱っこ。

「苦手な場所に寄ったお母さんがわるかったよ~ごめんよ~」と、こちらも泣きたくなりながら、しばしゆらゆら。どうか、行き交う車を見て気分転換しておくれよ~~!

 

その時、はっと友人の言葉が脳によみがえった。今こそ対面ベビーカーを試す時!

慌てて対面式にセット。降ろすとまだぐずる。

だけど、顔を見ながら進んでみたら…おっ?収まってきた…!?やった!!!!

 

持つべきものは経験豊富な友人様様、親戚が譲ってくれたコンビのスゴカル様様、そしてわたしなんかを母親として安心しきってくれる我が子様様である。

あの時のちょっとした一言が、起死回生のヒントになった。なかなか会えない中、通話でおしゃべりできただけで楽しくて心が救われていたのに。感謝してもしきれない。

 

そのまま不機嫌は爆発せずに、お目当ての公園へと行き着くことができた。

美しい緑、心地よい涼風、ひとりじめ。もとい、ふたりじめ。

気持ちの良い木漏れ日を浴びながら、コンビニおにぎり。

いつぶりだろう。とっても美味しかった。

 

子は、足を止めてもぐずることなく、ご機嫌に待っていてくれた。それどころか、ベビーカーの持ち手にぶらさげていたビニール袋をつかんでガサガサ言わせ、自主的に遊んでいる。

本来はおもちゃなどつけておくべきだったし(そういうグッズ、あるね!そういえば!ベビーカーでぐずるっていうのが今までなかったから備えてなかったけど、こういう時のためなのね!)、バタバタと鞄も持てずに出かける時用になんとなしに付けていた袋だったけど、すごく役に立った。ラッキー!

対面式ベビーカーだと、こんな時間の稼ぎ方やご機嫌のとり方もできるんだなぁ。なるほど。学び。

 

 

そういえば、また思い出話になるが、こないだ住宅街をベビーカーで散歩していたら少年がどこからともなく急に現れ、赤ちゃんを興味深そうに覗き込んできた。

わたしたちのベビーカーもチェックして「これ、なんの袋?ゲー用?」と訊いてきた、という一幕があった。

突然の幼児(?)(わたしは子どもの年齢が分からない)とのふれあいに動揺したわたしは「ちがうよ~、袋あればなんでも入れれるでしょ」とふんわりとした答えを返した。

少年も「ふうん」とぼんやり納得し、それより、とデジカメで撮ったバッタを大量に見せていただいたのだったが、こんなにすぐにビニール袋に別の用途が見つかるとは。

 

バッタ少年よ。ベビーカーにビニール袋をつけておくと役立つよ。スマホに鍵、なんでも入れれるし、赤ちゃんはガサガサ音が好きなんだよ。

 

 

子どもの泣き声には動揺するが、泣かせないで一日を過ごすことはできない。

ましてや、毎日を生きていってもらうには、泣くような出来事に遭遇させてしまうことも避けられない。

今回またひとつ、子どもとのお出かけの経験値を積んだわたしは、いつかは誰かにアドバイスできるような頼もしい母親になれるだろうか。

 

おすわりやハイハイが上手になった我が子。そろそろ地面デビューもさせてあげたい。

遊具につかまり立ちもできるだろう。土や芝生、草や鉄の感触をおぼえよう。

ハラハラドキドキは増えるけれど、子どもの初めてを見守ろう。出会いを増やしてあげよう。

 

親も子も、日々育つ。

さあ、明日はどんなお散歩をしようかな。