もうほぼ治ったが、風邪をひいた。
喉が痛くなり、鼻水が出るようになり、そして止まらなくなった。
幸いにして咳は出ず、発熱もなく、耳が詰まった感じがして少し頭痛がするものの、大したことはなく約3日ほどだった。
季節の変わり目の気温の変化についていけなかったこと、夜泣きによる睡眠不足が続いたこと、栄養不足などが原因と思われる。
薬以外のあらゆる手を尽くしたので、早々に治せた。よかった。
2月にも風邪をひいた。
その時は、寒気からはじまったのだった。
いつもと違う感覚がして眠れなくなり、微熱程度ではあったが熱が出た。
とにかくその頃はオミクロン株が流行していた頃で、もしやかかってしまったのではと不安で不安でたまらなかった。
そうはいってもただの体調不良な気がするから少しまとまって眠れば回復するだろうと思ったが、生後2ヶ月の赤子には無理なお願いだった。
子どもを預けて時間をもらっても全然寝られず、授乳中で市販のつよい風邪薬も飲めずに、なんとか少しでも眠れる薬がほしいとお医者さんを探した。
今思えば、おかしくなっていたのである。
眠るための神経がうまくはたらかなくなっていた。
2時間強眠れればいい方で、下手したら1時間で泣いて起こされる生活を日夜無く送っていたらそりゃそうなる。
身体が適応しすぎてしまったのだ。眠らずにいることに。
横になっても眠くならない。
くたくたなのに、疲れているのに、眠れない。
そうしているうちにささいな違和感が気になってくる。
少し喉が痛い…気がする。少し鼻が出る…気がする。寒気がする…気がする。
「寒気 発熱無し オミクロン」「PCR検査 病院 予約」「生後2ヶ月 コロナ うつる」「救急病院 小児科 受け入れ」などなど、きりがなかった。
眠れないままにひろがる心の中の不安がすべて検索履歴にずらっと並んでいた。
一緒の家に暮らしている人や、生まれたばかりの子どもに迷惑をかけてしまうこと。
自分が重症になったら?子どもが重症になったら?病院は?治療は?隔離は?後遺症は?
なにもかもがこわくて、わるい考えは止まらなかった。
あの時、薄着をしていたのがいけなかったのだろうか。免疫が落ちた。
数日前、玄関先で人と少し話した。きっとあそこでもらったにちがいない。
あの人は発症してはいないのだろうか。無症状だったんじゃないか。
このまま赤子ごと隔離してもらうことは可能か。それとも、預けるべきか。
どこまでも後悔は深くなるばかり。未確定の前提条件をもとに、備えも先走るばかりだった。
結局、色々と検査を受けたり診察を受けたりして、コロナではないということになった。
眠れないので普通に体調が悪化していったため、診察で胃腸炎なども疑われたりした。
しかし、あとになってみると、あれは単なる睡眠不足による風邪ひきだった、と思うのである。要は免疫不足。発端は育児による寝不足。
後から見ると騒動なんてそんなものだった。
それでも、あの頃は確かにすさまじい心労を味わったのである。
二度と経験したくないつらさだった。
育児を開始して約半年になるが、その後も、うまく眠れない日々は基本的に続いている。
夜中に寝ているのを起こされる、あるいは寝かけたところを起こされるのは非常にきつい。
しかしもっときついのは「よし、赤ちゃんが寝たからわたしも寝るぞ!せっかくの寝られる時間、1秒も無駄にしない!」と意気込んだにもかかわらず、身体がうまく寝てくれない時だ。
早く寝ないと、と焦る。睡眠不足になったら身体がまたおかしくなっちゃう、と不安に支配される。そうなったらもうだめだ。
寝たいのに寝れない。眠りって、すごくデリケートだ。
そう考えると、明らかに眠気が勝っているのに大人しく眠れずぐずる我が子も、同じく不自由な身体を抱えているんだなあと思う。
でも、わたしの風邪をもらわずに元気でいてくれてありがとう。
それが何よりの心の救いです。
わたしから持っていった免疫能力はそろそろ切れる頃合いらしい。
これからますます、2人分の体調管理に気を引き締めたい。
母はあなたを守るため、もっともっと強くなるからね。健康でいるようがんばるね。
おやすみなさい。ねんね、ねんね。